私たちが製造・販売しているアップサイクル素材「HOPLA(ホプラ)」。
その独特の色合いや表情に惹かれ、「どうやって作られているのですか?」というご質問をいただくことが少なくありません。
HOPLAは、廃プラスチックを再利用した板材ですが、その製造には多くの人の手と技術が関わっています。
板材の製造は、私たちの協力会社が担っており、その板材をもとに私たちが家具や什器、内装材、小物製品などへ加工しています。
今回は、HOPLAの原点ともいえる板材が完成するまでの工程をご紹介します。
◇AGENDA
Toggle使用済みプラスチックを回収する
HOPLAの原料となるのは、主に1,000以上のメンバー登録されたベトナムの家庭や企業から排出された使用済みプラスチックです。
それは、リサイクル製品の基準と安全性を確保するというだけでなく、メンバー自身が自分の出したプラスチックごみがどのように再生されたかを追跡できるということでもあります。

ペットボトルのキャップや容器、食品トレーなど、本来であれば焼却や埋め立てに回ってしまう、あるいは不法投棄されてしまうかもしれないものが、新しい素材へと生まれ変わります。

回収されたプラスチックは、そのままでは再利用できません。ここから、長い製造工程が始まります。
人の目で、一つひとつ選別する
最初に行われる重要な工程が洗浄と選別です。
プラスチックごみの中には、食品や様々な液状のものが入っていたものなど付着物が残った状態の物がたくさんあります。
そこで、先ずは回収前の段階で各家庭や事業所内でそれらの容器やパックを切り開くなどして洗浄、乾燥させてもらいます。
これはにおいの発生や虫の混入を防ぐためには欠かせない作業です。そうして清潔で乾いた状態のプラスチックごみだけが再生プラスチックに生まれ変わるために回収されるのです。

さらに、プラスチックには、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)など、さまざまな種類があり、それぞれ融ける温度や性質が異なるため、できるだけ種類ごとに分ける必要があります。
この選別は機械だけに頼るのではなく、作業スタッフが実際に一つひとつ目で確認しながら行っています。
もちろん、人の目による選別である以上、100%完璧に分けることはできません。ごくわずかに異なる種類のプラスチックが混ざることもあります。

しかし、それは決して欠点ではありません。
HOPLAは工業製品でありながら、天然素材のように一枚一枚異なる表情を持っています。その微妙な色の混ざり方や質感の違いは、このような工程から生まれる個性でもあります。
均一ではないことが、HOPLAならではの魅力につながっているのです。
細かく粉砕し、きれいに洗浄する
選別されたプラスチックは、細かく粉砕されます。
その後、さらに洗浄設備でしっかりと汚れやラベルの残りなどを取り除きます。

この工程を丁寧に行うことで、最終的な板材の品質が安定し、美しい仕上がりにつながります。
洗浄されたプラスチック片は乾燥され、次の工程へ送られます。
色を調整しながら板のもとをつくる
乾燥したプラスチック片は、製品ごとのデザインに合わせて配合されますが、その際は、添加物・結合剤・着色料などは一切入れることなく、100%プラスチックごみから作られた原料を使用します。

HOPLAの特徴である鮮やかな色や大理石のような模様は、この段階で素材の組み合わせを工夫することで生み出されています。
大量生産の工業製品とは異なり、素材の個性を生かしながら一枚ずつ仕上げていくため、同じデザインでもまったく同じ表情になることはありません。
熱と圧力で一枚の板に成形する
配合されたプラスチック片は、大きな金型に均一に広げられます。
その後、熱を加えながら大型プレス機で強い圧力をかけ、素材同士をしっかりと融着させます。
さらに冷却工程を経て、厚みや寸法が安定した一枚の板材が完成します。


こうして出来上がるHOPLAの標準サイズは1220mm×2440mm。
現在の生産体制では、このサイズの板を1日に最大約60枚製造することが可能です。
一見すると多いようにも思えますが、一つひとつの工程を丁寧に行いながら品質を維持しているため、決して大量生産とはいえません。
私たちの工場で製品へ加工する
完成した板材は私たちの工場へ届けられます。
ここからは、家具やテーブル、店舗什器、内装材、サイン、様々な小物など、お客様の用途に合わせて加工していきます。
切断、切削、穴あけ、面取りなどを施し、HOPLAならではの豊かな表情を活かした製品へと仕上げます。
板材として完成した段階がゴールではなく、そこから新しい価値を持った製品へ生まれ変わらせることが、私たちの役割です。
廃棄物ではなく、「素材」として未来へ
HOPLAの製造工程を見ると、多くの工程が人の手によって支えられていることがわかります。
回収し、選別し、洗浄し、粉砕し、成形する。その一つひとつを丁寧に積み重ねることで、廃プラスチックは新たな素材として生まれ変わります。
そして、人の目による選別だからこそ生まれるわずかな違いを、HOPLAでは「個性」として受け入れています。
均一な工業製品ではなく、一枚ごとに異なる表情を持つ素材だからこそ、空間に温かみや面白さを与えてくれるのです。
また、HOPLAが100%プラスチックのみでできているということは、製品としての寿命が尽きた後に、再び分別、回収して何度も繰り返しリサイクルすることが可能であるということです。

大量に作ることよりも、限りある資源を大切に活かしながら、新しい価値を生み出していくこと。それがHOPLAづくりの考え方です。
これからも私たちは、協力会社とともに、廃プラスチックに新たな命を吹き込み、持続可能なものづくりを通して、循環型社会の実現に貢献していきます。
私たちは廃プラスチックを「ごみ」ではなく、「未来の素材」と考えています。HOPLAは、その想いを形にした一枚の板なのです。

